M's Bar/男の書斎・別室

1.4L考 [AUDI A3スポーツバック(299万)]

●アウディA3(中古車サイトより)
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 AUDIのボトムエンドを担うA3スポーツバック。何よりインテリアのプレミアム性は目を見張るものがある。オシャレ度がとても高く、《知的さ》を演出するブランド戦略が功を奏しているのは好調な売上台数が示す通り。個人的には、空冷ポルシェ964へのオマージュのようなメーター周りのフォント、デザインに惹かれる(下写真 ※ただしディーラーの営業マンは何のことを言っているのかさっぱり分からないという風情でした。《プレミアムな商品》を《プレミアムな営業マン》が売るということではないようですね)。

 ところが、乗り味は薄味で神経質と私には感じられる。あくまでディーラーの試乗車で市街地を走った際の印象だが、半年ほど時間をおいて二度試しての印象である。ロードホールディングの実体感が乏しいのではないか。1.4TFSIエンジンはターボチャージャーが組み合わされて、確かに加速する度に《1.4lだからパワー不足がしているな》と不満が溜まるということはないだろう。しかし、特に低速におけるトルクの乏しさは、洗練された乗り心地というよりも、クルマを運転している現実感そのものが失われてしまって、得も知れない不安と心細さが増してゆく。一刻も早く目的地に着かないかな、と。

 トルクについてメーカースペックは[20.4kgm/1500-4000rpm]とあるが、例えばスーパーハンドリングカーのロータス・エリーゼ(1.8l)のそれは[17.6kg/m/4200rpm]であり、数値としてはさして変わらない。ちなみにA3と同排気量のホンダ・フィットは[13.0kgm/4800rpm]と差があるが、どちらとも体感の違いというものは大きくあって、ロータスは《圧倒的にトルクフル》、フィットはA3に比べれば《体感のトルクはあるかもしれない》となって、ここは何とも《製品総体としてのクルマ毎の違い》が面白い。

 Sトロニック(VWではDSGの呼称)を手動でシフトチェンジして、スポーティーな走りをしてみれば、その印象は少し変わるのだけれど、私はATのシフトをちょこちょこ変えて運転するのはあまり好きでない。どうせギアチェンジを自ら頻繁にするのならMTをとりたい気分になる。ただしSトロニックはよくできていて、街中であっという間にギアは駆け上がり、6速7速に入る。

 ブレーキは効きすぎるため神経質なフィーリングで(これを確かめるために二度試乗したのだ)、例えば可もなく不可もないドライビングテクニックの奥さんに運転させて自分は助手席で外でもぼけっと眺めていたら、《そんなに急にブレーキングしなさんな》と無碍に注意してしまうかもしれない。

 そういった訳で、アウディーのA3はとてもファショナブルなのだが、どうしてもこの乗り味に300万を支払うというのはためらってしまって、むしろドライブフィールや乗り心地からすると同血で排気量が同じゴルフTSI Comfortline(275万)とかゴルフヴァリアントTSI Trendline(264万円)の方がよいのではないかと思える。しかしこちらの課題はプレミアム性やデザインなのであって、どっち取らずということにどうもなってしまう。

●AUDIのメーター(同)
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●ポルシェのメーター(同)
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by itsunire4311 | 2009-11-01 11:39 | CAR